【知覚過敏の原因と対処について】
みなさん、こんにちは。
足立区竹ノ塚の歯科・歯医者
稲葉歯科医院 院長の正井です。
ここ数日、暑い日が続いていますよね。
冷たいものを口にする機会も多くなってくるこの時期ですが、歯がキーンと沁みたりしていませんか?
冷たいものを口にすると沁みる知覚過敏、その原因は一体何なのでしょうか?
今回は「知覚過敏の原因と対処について」お話したいと思います。
【原因】
歯は、最表層が「エナメル質」という硬い層で覆われており、その下には神経へ刺激を伝えやすい「象牙質」という層があります。
そのため、何らかの原因でエナメル質が削れて象牙質が露出すると、少しの刺激でも神経に
伝わってしまい、知覚過敏になりやすいのです。
◆歯ぎしり・食いしばり
仕事中やストレスを感じた時など、無意識のうちにグッと歯を食いしばったりしていませんか?
また、もしかしたら寝ているとき無意識のうちに歯ぎしりをしているかも知れません。
「知覚過敏があるけど歯ぎしりをしている自覚もないし、家族に言われたこともない」と
いう患者さんも、歯を見てみると明らかに歯ぎしりによって歯が磨り減っていたり、「クラック」と呼ばれるヒビが入っている方が非常に多いです。
ギリギリと音がするものだけが歯ぎしりではないということを覚えておきましょう。
ひどい場合は、歯が根元からえぐれたように削れてしまったりすることもあります。
対処法としては、日常生活で歯を食いしばらないように意識しましょう。
今もこの記事を読みながら食いしばったりしていませんか?
集中していたり、ストレスを感じたりすると無意識に食いしばりやすいため、気づいたら歯を離すように日頃から意識しましょう。
また、口を閉じたとき上の歯と下の歯は接触していますか?離れていますか?
唇が閉じていても上の歯と下の歯は2~3mmほど隙間が開いているのが正常です。
常に上下の歯が噛み合っている方は食いしばりと同じで、日頃から歯と歯を離すように意識しましょう。
しかし、寝ている時は意識することが出来ない為、マウスピースをつけることで歯への刺激を減らすことが出来ます。マウスピースは歯科医院で保険診療内で作ることが出来ます。
◆歯の磨き方
間違った歯磨きも知覚過敏の原因になります。
強い力でゴシゴシと磨いたり、研磨剤の入った歯磨き粉や毛の硬い歯ブラシを使用したりすることにより、エナメル質が傷ついてしまいます。
歯磨きは、優しい力(200~300g程の力)でも充分に歯垢を落とすことが出来ます。
優しい力で小刻みに歯ブラシを当てるようにしましょう。
また、歯磨き粉は研磨剤無配合のものを使用するといいでしょう。
研磨剤無配合だと着色汚れがつきやすいという方は、通常の歯磨きは研磨剤無配合のものを使用し、着色しやすい箇所だけ研磨剤入りのものを少し使用するなど、出来るだけ歯を傷つけない工夫をしましょう。
また、着色汚れは歯科医院で「PMTC」という方法で簡単に落とすことが出来ます。
◆歯肉の退縮
歯周病や強い歯磨き、そして加齢などにより歯肉が退縮すると、「セメント質」という歯の層が露出してきます。
セメント質は象牙質同様、神経に刺激を伝えやすいため、歯肉退縮は知覚過敏の原因になります。
歯周病はしっかりと治療し、歯の磨き方が強い方は改善し、今以上に歯肉が退縮しないように注意しましょう。
治療方法としては歯科医院で知覚過敏抑制材を塗ってもらうと症状は和らぐでしょう。
抑制材を塗っても治まらない場合は神経を抜けば治まりますが、神経を抜いてしまうと歯が脆くなってしまう為、神経を抜くのはあくまでも最終手段として、出来るだけ神経は残すことをお勧めします。
◆酸蝕症
酸の強い食品を頻繁に食べる方は、その酸によって歯が溶けてしまうことがあります。
ひどい場合はエナメル質を溶かし、象牙質が露出してしまい、知覚過敏を引き起こします。
酸が多い食品は、梅干やお酢や柑橘類など酸味の強い食品、コーラやサイダーなどの炭酸飲料、ビールやワインなどのアルコール類、スポーツドリンクや栄養ドリンクも酸の強い食品です。
また、逆流性食道炎などによる胃酸の逆流や、ビタミン剤やアスピリンなど酸性の強い薬剤も酸蝕症の原因となります。
◆ホワイトニング
ホワイトニングの薬剤によって知覚過敏が起こることがあります。
しかし、この場合はホワイトニングをやめれば治まります。
知覚過敏が重度の場合はホワイトニングを一度中断し、症状が治まってから再開した方が良いでしょう。
以上のように知覚過敏には様々な原因が考えられます。
もし瞬間的ではなく、継続的にジワーと沁みるようなら虫歯の可能性も考えられるので、
激しい痛みが出る前に歯科医院で治療を受けましょう。
稲葉歯科医院
院長 正井 敬子
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